2018/11/2/ 03:01

【日本人プロ投資家 × 注目スタートアップ】東南アジア注目のテック領域とその成長要因

【日本人プロ投資家 × 注目スタートアップ】東南アジア注目のテック領域とその成長要因
[スピーカー]
VENTENY  Founder&CEO
Junichiro Waide
×
TheLorry.com Co-founder&CEO
Nadhir Ashafiq
×
Fabelio Co-Founder&ChiefOperatingOfficer
Christian Sutardi

[モデレーター]
KK Fund Founder&GeneralPartner
Koichi Saito

2018年9月、東南アジアのビジネスに携わる日本の上場企業経営者、海外責任者など約140名が参加した完全クローズドイベント「Ishin Startup Summit 2018」がシンガポールで開催された。第2部では日本人投資家であるKK FundのKoichi Saito氏と東南アジアのスタートアップ起業家たちに、注目のテック領域とその成長要因について語ってもらった。

従業員向けローン、物流エコシステム、家具デザインのスタートアップ

Koichi:KKファンドはシンガポールベースのVCファンドで、東南アジアの企業に投資しています。本日はマレーシア、インドネシア、フィリピンから素晴らしいスタートアップをお呼びしました。それぞれどんなビジネスをされているのかご紹介ください。

Junichiro:VENTENYというフィンテックの会社をしています。企業は従業員のエンゲージメントが低く、すぐ辞めてしまうという問題、従業員は現金がないとき給料の前借りができない、銀行に借りるには2~3週間かかる、あるいは信用が足りず借りられない、銀行以外のところは金利が高い…といった問題に直面していました。我々はフィンテック、HRテック、インシュラテックをつなげて、従業員に資金を提供するサービスをしています。ノンバンクローン、給与の事前支払いを組み合わせて、プリペイドのVISAカードを発行しています。これを利用すれば、ホテルや飛行機の予約、オンラインでの商品購入などもできます。

Nadhir:The Lorryという会社で、独自の物流システムを持っています。タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールで、データとファイナンス、技術を組み合わせた物流のエコシステムを構築しようとしています。個人の引っ越しと企業による配送の両方を手がけています。IKEAやLAZADAなどにサービスを提供しており、冷蔵庫や洗濯機などEコマースの配送もしています。数年で地域でのトップ企業になりたいと考えています。

Chiristian:Fabelioというインドネシアの中流家庭向けの家具をデザインしています。多くの顧客はオンラインで買うのですが、製品の実際の確認もしてもらえるよう、インドネシア国内8カ所にショールームも持っています。従業員は200人に増え、インスタのフォロワーは92000人。これまで80000件の家具をお届けしています。インテリアデザイン、コーポレートクライアント向けのものもあります。

成長率の高い市場で信頼できるサービスを提供

Koichi:皆さんのビジネス領域において、なぜ東南アジアで大きなビジネス機会があるのか教えてもらえますか。

Junichiro:第一に大きな需要があるから。第二に、規制があまりなく、ビジネスがやりやすいからです。経済も発展しており、人々が旅行に行ったり、新しいiPhoneを買ったりするのにお金を使うようになってきています。第三に、ビジネスモデルそのものも東南アジアだからこそ成り立つ側面があります。回収の保証があれば、お金を貸すことができるわけですが、通常の金利が非常に高いのです。たとえばインドネシアでは、月に30%を課すことが合法で、年率300%という世界なので、それより安い金利でも十分に利益が出るということです。

Nadhir:東南アジアは大きなマーケットですが、物流は非効率で、伝統的なやり方が続いています。ここに破壊的な技術を持ち込むことで、大きな変化をもたらすことができます。運転手は低学歴で、階級が高いわけではありません。日本のようにサービスの質が高くありませんので、彼らをトレーニングし、収入を上げることで、業界全体が潤うことになります。たとえばマレーシアでは、我々が市場に参入する4年前は、個人顧客が引っ越ししたいと思ったときに、道で走り書きの電話番号を見て運転手を見つけるような状態でした。これでは信用できるか分かりませんよね。私たちは、犯罪歴を調べて、信頼できるサービスを提供しています。

Chiristian:東南アジアは6億人の人口があり、経済が成長しています。Eコマースは2012年以来、年率12%成長を記録しています。2020年までに3倍になると思っています。もちろん、中国のほうが経済の規模が大きいですが、東南アジアは中国よりも1人当たりの消費は大きいのです。従来、東南アジアで家具のデザインをするのにはとても時間と労力を要しました。Googleで検索して「これを作ってほしい」と職人に頼んでも、違うものがきたり、クレームを入れようとしても電話を取ってもらえなかったり。我々は今、顧客第一で満足度の高いサービスを提供しています。

Koichi: 現在の東南アジアのマーケットの中で、他社と比べた自社の強みは何だと思いますか。

Nadhir:東南アジアでEコマースは本当に成長しています。ますます多くの人がオンラインで買い物をするようになっています。でも配送は簡単ではありません。お客さんの家具や商品を傷つけないように十分なトレーニングが必要ですし、カスタマーサービスも大変重要です。私たちの場合、アーリーアドバンテージでコカ・コーラやペプシなどの多国籍企業ともやりとりできたことは幸運でしたが、よいSOPを作り、人材を育成することが顧客のいい経験につながっていると思います。

Junichiro:我々のビジネスは、他の誰もやっていなかったことで、参入して3~4年経ちますが、いまだに誰も参入してきません。新しい市場を切り開き、リーディングカンパニーになるには強いビジョンが必要で、それを実行していくための信念が必要です。トレンドとしては、フィンテックやHRテックはとても盛り上がっていると思います。ただ周りを見ると、BtoCをやっている企業が非常に多いですが、皆同じに見えます。何が本当にユニークなのか見ないといけないと思います。

Chiristian:顧客が本当に欲しているものを提供することに尽きると思います。銀行よりもいい金利を提供して資金援助をしていますし、お客さんに配送コストを払わせているところもありますが、我々はしません。トレンドはAIでしょう。私たちも、商品を自分の家に置くとどうなるかビジュアルでイメージできるようなサービスを提供しています。セキュリティカメラでお客さんのショールームでの行動を分析して、どう売り上げを伸ばすかも考えています。

日本企業には投資、戦略的パートナーシップを期待

Koichi:これから日本企業に期待すること、メッセージはありますか?

Chiristian:日本の企業のパートナーとはすでにいい関係を築いていますが、そのような知識の伝達をしてくれるパートナーは増やしていきたいと思います。小売りのパートナーも歓迎です。もちろん、投資も期待しています。

Nadhir:私たちも日本の投資家を探しています。戦略的パートナーシップも大歓迎です。ユニリーバと契約を結んでいますが、彼らから収入がある反面、彼らの物流購入の改善にも寄与しています。

Junichiro:日本企業には投資も戦略的パートナーも期待しています。東南アジアに進出したい企業で、現地で何が起こっているのか知りたければ、すでに現地に入りこんでいる我々が道先案内をすることもできると思います。

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